平成ハリケーンアカデミー

日常を考察せよ!

 

 

日常に目を向けよう

 

 

 

ニュースではやれ政治家が汚職だの、やれ殺人犯が逃走だのについて意見を交わしあっているがそんな物騒なことでなくても日常にも考察しがいのある事柄はたくさんある。

そう思うようになったのは最近こんな事件があったからだ。

 

 

通学中のこと

私は何かを押し付け合う男子小学生数名に出会った

こんな寒い朝に立ち止まってすることじゃないな、と思っていると

「あっお兄さん、これあげます

私は指紋まみれの新品赤シートを渡された

 

 

 

 

考察を始めよう

 

疑問1.なぜそこに赤シートがあったのか

まず赤シートとは、単語を赤色で書いて隠しながら覚えるという、いわば勉強道具である。

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おおかた単語帳を歩き読みをしていた二宮金次郎クンが落としてしまったのだろう。(受験は落ちないといいねっ!!)

ましてや受験間近の冬ともなれば熟した赤シートの旬であり、その辺の受験生がはずれドロップアイテムとして落としていてもおかしくはない。

 

 

疑問2.なぜ押し付けあっていたのか

その場に所持者がいるのであれば押し付け合いが起きるはずがない、やはりこの赤シートの主はこの場にはいないということで間違いない。

 

だとしても中休みの最後触ってた人がボール片付けるやつじゃないんだからさ、とそんなことを思ったついでに過去の自分を連れてくる。

 

自分が小学生だったら、この新品赤シートに何を思うか

赤くてピカピカ、高校生とかが使ってて憧れ、欲しい、でも学校に持ってったら怒られる?、こいつらにオレが持ってることバレたらチクられる?

 

そう、葛藤だ。

視界を全て赤色に塗り替える魔法のアイテムをみすみす手放したくない、とはいえ鉛筆しかろくに持たせてくれない初等教育がこいつを許してくれるだろうか。

 

まるで、落ちていたエロ本を誰が持ち帰るか議論していた我々のように

まるで、全員が挙手したくてもできなかったあの場のように

 

そうなると、

疑問3.なぜ私に渡したのか

という謎も解ける

彼らは葛藤で頭がいっぱいだった。そしてその葛藤がバレるのを嫌った。そこにたまたま通りかかった第三者

 

彼らの中で最もマリオパーティーの勝率が高そうな男子は閃いたのだ。

 

(こいつに渡せば丸くね?)

 

彼に本意との矛盾や今から行うことの異常性など考える余地はなかった。

 

「あっお兄さん、これあげます。」

 

そう言って赤シートを手放し、冷たい寒空の下マフラーと手袋を身に着けた小学生の登校が再開された。私に心の内を考察されるとも知らずに、

 

 

 

 

 

 

 

日常には様々な疑問が存在する。

それを日常だから、と見なかったことにしてしまうのはもったいない。

あなたが少しでも疑問に感じたことに目を凝らしてみると、気が付かなかった文脈が隠れているかもしれない。

 

 

 

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裏面が酷く汚れていることに気が付き、すぐに捨てた。